📊 現在の状況(2025年7月28日時点)
お名前.comでは「サービス維持調整費」として、表示価格に調整費が加算されています。この調整費は月次で見直しされており、実質的な料金上昇となっています。
調整費の変遷
- 2023年2月:18.25%
- 2023年12月:22.75%
- 2025年2月3日:25.50%
- 2025年8月:22.75%(月次変動)
※調整費は1~3ヶ月ごとに市場動向に応じて見直される予定です。
サービス維持調整費とは
サービス維持調整費は、お名前.comが2023年2月から導入した追加料金制度です。表示価格に一定割合を上乗せして請求される仕組みとなっています。
導入理由として挙げられているもの:
- 国内電気料金の高騰
- 為替円安の進行
- 世界的な半導体不足
- 人件費の高騰
実際の料金への影響
.comドメイン料金比較(2025年7月時点)
サービス | 1年目料金 | 2年目以降更新料 | 2年間総額 |
---|---|---|---|
お名前.com
![]() | 1,287円 → 約1,573円※ | 1,628円 → 約1,990円※ | 約3,563円 |
Xserverドメイン
![]() | 1円(キャンペーン時) | 1,298円 | 1,299円 |
ムームードメイン
![]() | 1,628円 → 約1,990円※2 | 1,628円 → 約1,990円※2 | 約3,980円 |
ConoHa WING
![]() | サーバー契約で永久無料 | 無料(条件付き) | サーバー料金のみ |
※調整費22.25%込みの概算(税込)
※2 ムームードメインも2025年7月から調整費22.25%を導入
調整費導入の背景
お名前.comが調整費を導入する背景には、以下の要因があります:
- 為替変動の影響:ドメインの上位管理機関への支払いはUSドル建てのため、円安の影響を直接受ける
- 運営コストの上昇:電力料金や人件費の高騰
- インフラ投資:サービス品質維持のための設備投資
なお、同じGMOグループでも、ConoHa WINGなどの一部サービスでは異なる料金体系を採用しています。
移管を検討すべき理由
1. コスト削減効果
- 年間で数百円から数千円の節約が可能
- 複数ドメインを保有している場合、削減効果が拡大
2. 料金の透明性
- 調整費のない業者では、表示価格がそのまま請求価格
- 将来的な料金変動のリスクが軽減
3. 競合サービスの充実
- 他社でも同等のサービス品質を提供
- むしろ一部のサービスでは付加価値が向上
主要な移管先候補
Xserverドメイン
- 特徴:初年度1円キャンペーンを頻繁に実施
- 更新料:1,298円(.com、税込)
- 連携:Xserverとの割引特典あり
- 適用対象:コストを重視する個人・法人
ConoHa WING
- 特徴:WINGパック契約でドメイン永久無料
- 更新料:サーバー契約継続中は無料
- 連携:高速レンタルサーバー込み
- 適用対象:サーバーもセットで利用したい方
ムームードメイン
- 特徴:従来は調整費なしだったが、2025年7月から導入
- 更新料:1,628円 → 約1,990円(調整費込み)
- 連携:ロリポップサーバーとの連携
- 適用対象:GMOグループ内での移行を検討する方
注意:ムームードメインも調整費を導入したため、コスト面でのメリットは限定的
さくらのドメイン(さくらインターネット)
- 特徴:安定したサービス提供
- 更新料:1,886円(.com、税込)
- 連携:さくらのレンタルサーバーとの連携
- 適用対象:安定性を重視する方
ドメイン移管の手順
Step 1: 事前準備(所要時間:約10分)
- AuthCode(認証鍵)の取得
- お名前.com Naviにログイン
- 「ドメイン機能一覧」→「AuthCode確認」から取得
- 登録情報の確認
- Whois情報が正確かチェック
- 必要に応じて事前に修正
Step 2: 移管申請(所要時間:約5分)
- 移管先サービスで「ドメイン移管」メニューを選択
- ドメイン名とAuthCodeを入力
- 移管料金の支払い手続き
Step 3: 移管完了待機(5-7日程度)
- 承認メールが届いたら指示に従って承認
- 移管完了通知の確認
移管時の注意点
タイミングの制約
- 60日ルール:ドメイン取得・移管から60日経過後でないと移管不可
- 期限切れリスク:有効期限の7日前までに移管完了させる
料金について
- 移管時に移管先での1年分の更新料が必要
- 移管後は移管先の料金体系が適用される
サービス継続性の確保
- DNS設定は事前に移管先で準備
- メール転送等のオプションサービスは再設定が必要
- 移管中のダウンタイムを最小限に抑える準備
移管による節約効果の具体例
ケース1:個人ブロガー
- 保有ドメイン:.com × 2個
- お名前.com継続:年間約7,980円(調整費込み)
- Xserverに移管:年間約2,596円
- 年間節約額:約5,384円
ケース2:中小企業
- 保有ドメイン:.com × 3個、.jp × 1個
- お名前.com継続:年間約14,500円(調整費込み)
- 混合利用(Xserver+さくら):年間約9,400円
- 年間節約額:約5,100円
※計算は概算値です。実際の料金は各社サイトでご確認ください。
その他の選択肢
バリュードメイン
- GMOデジロック運営
- 調整費約20%を導入済み
- コアサーバーとの連携
スタードメイン
- 無料レンタルサーバー付き
- 個人利用に最適化された料金体系
お名前.comを継続利用する場合の検討点
継続利用のメリット
- 豊富なTLD種類:700種類以上のドメインを取り扱い
- 実績と信頼性:長年の運営実績とサポート体制
- 統合管理:複数ドメインの一元管理が可能
継続利用のデメリット
- 料金上昇:調整費による実質的な値上げ
- 将来の不確実性:調整費率の変動リスク
- 複雑な料金体系:表示価格と請求価格の差異
よくある質問(FAQ)
Q1: サービス維持調整費はいつから適用されますか?
A: 2023年2月から導入され、現在は22.75%です。この調整費は1~3ヶ月ごとに市場動向に応じて見直される予定のため、将来的に変動する可能性があります。
Q2: ドメイン移管にはどのくらい時間がかかりますか?
A: 通常5-7日程度です。AuthCode取得から移管完了まで約1週間を見込んでください。ただし、承認手続きの遅れや土日祝日を挟む場合は、さらに数日かかることがあります。
Q3: 移管中にWebサイトやメールは止まりますか?
A: 事前に移管先でDNS設定を準備すれば、ダウンタイムはほぼゼロです。重要なのは移管前に新しいネームサーバーでの動作確認を行うことです。
Q4: 移管時に追加料金はかかりますか?
A: 移管先での1年分の更新料が必要です(これにより有効期限が1年延長されます)。移管手続き自体に手数料はかかりません。
Q5: 移管に失敗した場合はどうなりますか?
A: 移管に失敗してもドメインは元のサービス(お名前.com)で継続利用できます。移管先に支払った料金も通常は返金されます。
Q6: お名前.comの調整費は今後どうなりますか?
A: 調整費は為替や運営コストの状況に応じて月次で見直しされます。過去の傾向を見ると、基本的には上昇傾向にあります。
Q7: 複数ドメインを一度に移管できますか?
A: はい、可能です。ただし、各ドメインごとにAuthCodeの取得と移管手続きが必要です。移管先サービスによっては一括処理機能を提供している場合があります。
Q8: .jpドメインや.co.jpドメインも移管すべきですか?
A: .jpドメインも調整費の対象のため、コスト削減効果があります。ただし、.co.jpは法人の信頼性に関わるため、安定性を重視して慎重に判断することをお勧めします。
まとめ
お名前.comのサービス維持調整費導入により、ドメイン維持コストは実質的に増加しています。この状況を踏まえ、以下の点を検討することをお勧めします:
検討すべきポイント
- 現在の年間コストと移管後のコストの比較
- 利用しているサービス(メール転送、DNS等)の移行可能性
- 複数ドメインを保有している場合の総合的なコスト効果
推奨アクション
- 短期:移管先候補の料金調査と比較検討
- 中期:必要に応じてAuthCodeの取得とテスト移管
- 長期:ドメインポートフォリオ全体の最適化
ドメインは長期契約が前提のサービスです。一度移管すれば、毎年の節約効果を継続的に享受できます。現在の料金体系を基に、最適な選択肢を検討してみてください。
※この記事の料金情報は2025年7月28日時点のものです。最新の料金や調整費率については、各サービスの公式サイトでご確認ください。
※移管作業は自己責任で行ってください。重要なドメインについては、事前にバックアップや準備を十分に行うことをお勧めします。